先日、友人と行ったアウトレットで1着9千円くらいする高級なTシャツを触ったら、めっちゃサラサラで肌触りが良かったです。
ポリエステルとか混じってるのかなと思い、素材を見ると綿100%。
普段着ているTシャツも綿100なので、この差が生まれるのは何故か気になりました。
調べた結果がこちら
綿100%でも、糸が違う
同じ綿でも"糸"に種類があるようです。
- コーマ糸
- セミコーマ糸
- カード糸
3つとも原材料は”綿花”です。しかし、糸にするまでの工程によって質感が変わります。
綿花から糸になるまで
糸を作り出す工程は以下の通り。[参考元]
混打綿:ごみを取り除き、綿をシート状にする
↓
カーディング:さらに不純物を取り除き、繊維の方向をそろえてスライバー状にする。
↓
※コーミング:短い繊維を取り除き、繊維をより精密に整える。
↓
練条:複数のスライバーを合わせて引き延ばす
↓
粗紡、精紡:スライバーをさらに引き延ばし細くする
↓
捲糸:用途に応じて加工と仕上げ、巻き上げる
この中でコーミングは必須ではありません。コーミングされた糸をコーマ糸と呼び、されずに完成した糸をカード糸と呼ぶようです。
コーマ糸は短い繊維が取り除かれ、精密に整えられているため、コーマ糸に比べて滑らかな肌触りになります。
コーマ糸は工程が一つ増える上、繊維をそぎ落とすため仕上がりの量が少なくなります。ゆえに高コストなのですね。
セミコーマ糸は少しだけコーミングした糸
コーミング工程があるかないかで考えれば、カード糸とコーマ糸の2種類しかありません。しかし、コーマ糸の中でも、取り除いた繊維量が少ないものをセミコーマ糸と呼んでいます。
セミコーマ糸はカード糸から更に約10%ほどの不要な繊維をそぎ落として作られる糸です。
カード糸よりも高品質でコーマ糸よりも安価に作れる良いとこどりの糸と言えます。ちなみに世界的にはカード糸とコーマ糸という分類しかなく、セミコーマ糸というランクがあるのは日本と中国だけだそうです。
https://www.flock-art.co.jp/faq/2006/02/post-44.html
コーマ糸を使ったTシャツを買ってみる
Tシャツ好きな自分としては、”肌触りが良い&安い”が欲しい所
色々探した結果、1着2千円弱で買えるコーマ糸使用のTシャツを見つけました。それがHANESのBEEFY TEE。
アメリカンなボックスシルエットで、厚みのある作り。ファッション業界では結構有名なTシャツっぽいです。
他にも何個か見つけたのですが、完全無地のカラーシャツが多かったのでポケット付きのこいつに決めました。
そして届いたのがこちら
確かに、コーマ糸を使用していない他のシャツよりも肌触りが滑らかに感じます。
ただ、高級なTシャツの滑らかさには届かない感じ、、、
使用している糸の細さや、織り方によっても変わるのかもしれません。上のシャツは耐久性もある厚めの生地です。
- 糸の太さ:17番手 単糸
- 布の厚さ:6.1オンス
- 編み方:天竺
他の要素によっても質感は変わる
この記事では糸の種類(カード糸、コーマ糸)にフォーカスしましたが、他にもTシャツの質感を決める要素はあります。
糸の太さ、生地の厚み、紡績方法の違い、編み方の違い
個人的に着る分には、自分の好みの質感のシャツがどんな糸、どんな作り方で出来ているか把握すれば、買った後に「なんか違うんだよなあ」ってなることを避けられるかもしれません。
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