ただ1話、20分ほどの物語で

蟲師というアニメを見て、涙が出そうになった。

自分は小学校を卒業してから涙らしい涙を流したことがなくて、アニメや映画で感動する場面があっても、目の奥にじんと感じたり鼻の奥がつんとすることはあっても泣くことはありません。

結果を言えば今回も泣いてはいないのですが、自分の中では泣いたといってもいいような感情を得ました。

このアニメは、”蟲”と呼ばれる「生き物と霊の中間」のような存在がいる世界が舞台で、その”蟲”が人の五感を奪ったり、奇行に走らせたり、普通の人間からすればよくない影響をあたえるわけです。

主人公のギンコは、そいつらのことを専門とする”蟲師”という存在。彼は旅先で蟲と関わる人たちと出会い、”蟲”に憑りつかれた人を治療したり、相談に乗ったりするお話です。

自分が泣きそうになったのは、こんなお話

ある男が、虹の姿をした”蟲”を見つけ、その美しさに惹かれてつい触れてしまいます。それ以降、男は雨が降れば衆目を気にせず楽しそうに外を駆け回り、そうでない日もいつも大量の水を飲むようになります。

男の妻はその奇行を恥ずかしがり、村人たちからも好奇の目で見られるようになってしまいます。

彼は息子に虹という文字を使った名前を付けました。自分が生きてきて出会った最も美しいものの名を入れたのです。

しかし、男の奇行とそれに関連する名前から、息子は村の人にからかわれ、怪我をしてしまって十分に働けないこともあり、村の中に居場所をなくしていました。

やがて、体が弱り、床に臥せるようになった男は、息子に小さな紙きれを渡してこう言います。(うろ覚えなのでおそらく実際のセリフとは異なります)

「お前には悪いことをした。自分が見た最も美しいものの名を付けたのだが、その名前によって嫌な思いもしただろう。

もう一つ、良い名前を考えたから、これからは新しい名前を使いなさい。

そうすれば、過ごしやすくなるだろう。」

このセリフを聞いて涙腺にきました。涙は出なくとも泣きました。なんででしょうね

男にとって、過去に見た虹は他のどの体験よりも美しいもので、男の中では揺るぎのない存在なのに、それが息子にとっては悪いものだと認め、自ら代わりの名前を考えて、その手で渡すという

男の諦めのような、潔さが感じられたからですかね。虹に対する考えは変わらないが、息子への愛情も確立しているように感じました。

息子は自分の名前を嫌っていなくて、新しい名前は受け取らず、、、その後の展開もいろいろとあるのですが、、、

まあこんな感じで、20分程度の物語ながら、浸みこむような感傷、感慨を得たということです。この話に限ったことではなく、他の話も、見た後はしばらく何も新しい情報を入れず、ぼ~っと余韻を味わいたくなります。

良すぎて一気見したくないと思う物語ですね。ほんと、すばらしい。

この蟲師ってアニメ、2005年にアニメ化されたもので様々な賞もとっているし、特にアニメに詳しくもない自分でも存在は知っていたくらい有名です。

過去の自分は、有名過ぎて敬遠してしまったきらいもあります。はやり物には手を出さない捻くれた質なんです。もったいない

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